先週水曜にカナダだけでなく北米全体に衝撃のニュースが走りました。それは「Car2Goが北米完全撤退」という悲しいニュース。バンクーバーではサービスを2011年から開始しており、バンクーバーだけでも利用しているユーザーは10万人近くもいるということで、多くの人が影響を受けることになります。
2020年2月29日でサービス終了
まだいきなり使えなくなるわけではありませんが、それでも年が明けてすぐにサービス終了となります。そして今後はヨーロッパのみでサービスを展開していくこととなります。
2019年の10月 Car2Go は、アメリカの一部マーケットで売り上げの問題があることを発表しており、今後は シアトルやモントリオール、バンクーバーのような稼げる市場でより充実したサービスを展開していく、というようなことを言っていました。
そんな矢先に、北米からの完全撤退。稼げる市場であるバンクーバーからも撤退することとなりました。実はトロントからは 2018年に撤退していたこともあり、専門家はそれほど驚いていない様子。
カナダでCar2Goに登録したら他の国でも使えたりもして、とても便利だった Car2Go。そういった世界的なサービスが北米から撤退するのは残念で仕方ありません。
撤退の背景
Car2Goのスポークスマンによると、北米撤退の背景には2つの理由があります。
他サービス登場による競争激化
すでに各都市では導入されている Uber や Lyft のようなライドシェアサービスが、もうすぐバンクーバーを含むBC州でもサービス開始されます。ライドシェアサービスと Car2Go のようなカーシェアサービスのユーザーは確実に重なっており、ライドシェアサービスの方が自分で車を運転しなくてもいい、車を捕まえやすいなどのメリットからカーシェアサービスは押しやられていきます。
これが、 Car2Go 撤退の大きな理由。
自動車産業の変化
Car2Go はドイツの自動車メーカー 「ダイムラー」 からスマートカーを購入しています。そのダイムラーは今年から北米にスマートカーを輸出しないことを決定しました。どうやらその裏には、中国とアメリカ・カナダの関係がありそう。
ダイムラーが作っているスマートカーは全て電気自動車となり、中国を大きな市場として捉えているそうです。
アメリカと中国の関係は史上最悪な状態、カナダ中国間も Huawei 問題からずっと悪い状態です。
そういうことから北米でのスマートカーの調達が難しくなったということも、Car2Go の撤退の引き金となりました。
Tech Crunch – Daimler pulls plug on electric smart car sales in US, Canada
ランニングコストの上昇
BC州での車両保険が来年からとても高くなることも含め、北米でのオペレーションを維持するのが難しくなったのもCar2Go撤退の大きな理由の一つです。
僕が働いている会社でも、車両保険がかなり大きな問題になっています。車両保険の改定の影響が 2020年から出てくるので、コマーシャルな車両を持っている会社はどこも多額の金額を保険に払う必要があり、頭を抱えています。