バンクーバーには、 「Greenest City 2020」という、2020年までにグリーンでサステナブルな都市のリーダーになろう!という目標があります。そんな取り組みと関わってくる LEEDとは?
LEED って何?
LEED とは 環境への配慮やエネルギーの高効率化をどれだけ建築物に適応できているかを測定するためのレーティングシステムです。

建築時に多くのゴミが排出されたり、人が建物内で活動を始めると多くのエネルギーや水を使用し、二酸化炭素を排出します。建物自体が環境を破壊すると言っても言い過ぎではないのです。
そう言った問題の削減を目指して制定されたのが LEED です。
LEED は今や最大規模のグリーンレーティングシステムで 165の国で導入されています。もちろん日本でも LEED 認証を受けている建物が存在しています。
環境活動が盛んな今
2019年は環境活動家のグレタさんが話題を集めました。人間が行っている経済活動は環境を破壊している、という認識を多くの人が自覚した年なのではないかと個人的に思っています。
そんな世の中だからこそ、LEED のような指標は重要です。環境への配慮を数値化したレーティングシステムは地球を浄化する一つの指標になります。また、環境問題が本格的に重要視されている今だからこそ、企業はこのようなレーティングシステムを取り入れることで顧客に対してより訴求力や購買力を生むことになるはず。競合他社との差異化になります。
2020年は、環境にも経済にもウィンウィンな結果を生み出せる時代が本格的に始まった年だと思っています。
4つのレーティングレベル
さて、そんなLEED には適用具合によって 4つのレベルに分けれます。スタンダードのものから適用レベルが最高なものまで下記のレーティングがあります。
- Certified (LEED に準拠している)
- Silver
- Gold
- Platinum (LEED を高いレベルで適用している)
カナダにおける LEED への取り組み
元々は USGBC (US Green Building Council) が制定した LEED をカナダでは改変して LEED Canada を作りました。
LEED を取り入れて建築することを推奨してきたカナダでは、結果的に多くの建物が LEED を導入してきました。実にその数7000以上。ここバンクーバーだけでも500以上の建物が LEED 認定を受けています。
カナダはアメリカに次ぐ第2番目の LEED 大国なんです。
バンクーバーで LEED 認定を受けている建物
バンクーバーで Leed Platinum 認定されている建物の一部を紹介します。
Canada Place Convention Centre
バンクーバーオリンピックの際に作られた建物が LEED Platinum を取得しています。

VanDusen Botanical Garden
VanDusen のビジターセンターも環境に配慮して作られており、 Leed Platinum を取得。

Vancouver House
奇妙な建物の Vancouver house の一部も Leed Platinum。見た目とは裏腹のサステナビリティ。

LEED 4つのポイント
LEED は大きく分けると4つのポイントに焦点を当てています。
- 水やエネルギーの無駄遣いをせず、高効率化させる
- 建物から発生する二酸化炭素を減らす
- 自動車の利用を避けるために、ロケーションや利便性も重要
- 建築時に発生するゴミの再利用
カナダでは LEED を導入し、これらの項目の条件をクリアした建物がたくさん存在します。それによりかなりの成果を得られたそうです。(数字を挙げてもちょっとわかりづらいので省略します)

LEED の課題
建物のグリーン化に大きく貢献してきた LEED はバンクーバーでも多くの建物が認定されています。しかし、それでもバンクーバー市が目標としている「Greenest City 2020」をクリアできるかどうか難しいところ。LEED の視点で言うと、建築ラッシュによるゴミの増加や人口増加による建物からの二酸化炭素量増加が原因の一つと考えられます。
ここから LEED の課題が見えてきます。
LEED 認定を受けるだけでは、結局二酸化炭素は増加してしまうのです。今後、人口が増えても建物から出る二酸化炭素を増やさないようにする カーボンニュートラル という考えを導入する必要があります。
カナダはその点を認識しており、 LEED だけではなく Zero Carbon (カーボンニュートラル) を強く推し進めているところです。また、LEED 自身もアップデートされて新しくなっていきます。
今後、もっともっとカナダがクリーンになっていき、環境大国として各国との差を見出していって欲しいと思うのと同時に、個人でもできることを継続的にやっていきたいです。