毎年 11月11日はカナダでの祝日の一つで、Remembrance Day (リメンバランスデイ) と呼ばれます。 Remembrance Day とはどういった日なのか、勉強してみました。
Remembrance Day とは
当初 Remembrance Day は Armistice Day = 休戦日 と呼ばれており、1919年から始まりました。1918年11月11日に第1次世界大戦の休戦協定が結ばれたことに因んでいます。
Armistice Day は 1931年から Remembrance Day と呼ばれるようになります。休戦を祝う日 Armistice Day から、戦争があったことを忘れないために思い出す日 Remembrance Day へと変わりました。
ポピーの花
Remebrance Day が近づいてくると、街ゆく人の多くはポピーの花飾りを胸につけるようになります。この花飾りは、駅などでドネーションで買えます。
ポピーの花は、第一次世界大戦のときに書かれた有名な詩 「In Flanders Fields」 に出てきます。第一次世界大戦で戦場と化した “Flanders Fields” にはたくさんのポピーの花が赤く咲いており、そのポピーの花が戦争で流れた多くの血を連想させるように詩は歌われています。

この詩からポピーの花は Rmembrance Day の象徴として使われるようになりました。
Lest We Forget
In Flanders fields the poppies blow
wikipedia – in Flanders Fields
Between the crosses, row on row,
That mark our place; and in the sky
The larks, still bravely singing, fly
Scarce heard amid the guns below.
We are the Dead. Short days ago
We lived, felt dawn, saw sunset glow,
Loved and were loved, and now we lie
In Flanders fields.
Take up our quarrel with the foe:
To you from failing hands we throw
The torch; be yours to hold it high.
If ye break faith with us who die
We shall not sleep, though poppies grow
In Flanders fields.
Lest We Forget
ポピーの花とともに、 Remembrance Day の象徴として登場するのが 「Lest We Forget」。Translink のバスも電光掲示板で表示するのでよく見かけ流ようになります。

これもポピーと同様に詩からの引用です。「Recessional」 というキリスト教に関する詩の中で何度も登場するこのフレーズは「忘れることないように」という意味で、今では Remembrance Day を象徴するフレーズとして使われています。
セレモニーとパレード
Remembrance Day には各地でセレモニーが行われます。
バンクーバーでは、ダウンタウンの東側 Victory Square で行われます。Victory Square には多くの人が集まり、戦争で犠牲を払った兵士の方々に向けて黙祷を捧げます。このセレモニーには毎年総勢 15,000人 ほどの参加者が集まります。その中には現役の軍隊の方々もいます。

セレモニーの後は、現役軍隊の方々がダウンタウンに向かってパレードを行います。

過去にこのセレモニーに参加したら、日本とカナダでの戦争に対する価値観の違いを感じられました。
日本とは戦争に対する価値観が違うことを感じる
日本では戦争は悪で、2度と起こしてはいけないものという考えがあります。もちろん、カナダでも戦争は2度と起こしてはいけないというところは同じです。ですが、セレモニーに参加してみると視点が違うように感じます。
日本で行われるセレモニーは、戦争で被害を受け亡くなった方への弔いの意味が強いように感じます。それに対してカナダでは、戦争で犠牲を払った兵士に向けての敬意を払うという意味合いでセレモニーが行われます。今の平和があるのは、あのとき戦ってくれた軍隊のおかげなんだという意思を感じます。あくまで個人の意見ですが。日本では戦争自体が悪だという考えなのに対し、カナダでは過去の戦争そのものが悪とは言い切っていないような雰囲気を感じました。
日本とは違う価値観で行われる戦争に対するセレモニー、興味がある方は行ってみてもいいかと思いますが、決して楽しむためのイベントではないので騒いだりして場を乱すようなことはしないようにしましょう。